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2011年8月26日 (金)

 

雷が
落ちてきた時
私は
やっと
助けてもらえるのだと
ここから
連れて行ってもらえるのだと
そう思ったのだ
結局
どれだけ待っても
そんなことにはならなかったけれども

確かに私は
そういう子供だった
それはただの事実だ
平和な時代に生まれて
そこそこの両親が揃っていて
住むにも食べるにも
とりあえず不自由なく暮らしていても
生きていかれないかもしれない子供は
確かにいる
脆弱だと言われてしまえば
確かに
それもただの事実だ

でも
ここまで生き延びた
それもまた
ただの事実

不運な娘よ
お前に翼をあげる
こんなものは
新たな呪いに過ぎないのかもしれない
安っぽい慰めの言葉が
何の意味も持たない時があると
誰より私が知っている
理性も
論理も
何の役にも立たない瞬間が
あるのだということを
でも
それでも
タナトスの衝動が
確かにこの闇の中に巣食うように
それでも
命がただ
命であることを
生き延びよと
ただそれだけを命ずる本能が
確かに
あるのだということを

生き延びろ
不運な娘よ
未来へ

嘘をついているのは、いつも父親
例えそれが
娘のためと信じていることであろうとも
結果として
その娘の
その優しさ故に
悲劇の撃き金を引くことになる
子供達は
未来へとゆく
それを妨げることは
誰にも出来ない

翼を
返してあげて

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