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2011年8月 7日 (日)

 

こんなことが
何かのちからになるとか
そんなことを
信じていたりする訳じゃ無いんだ

それでも
それでも
それでも

あの沈黙の闇を知るものとして
その御前に独り置き去りにされることの哀しみを
知るものとして

 

運の悪い人間というのは
確かに存在する

だから
ペイフォワードは
特定の一人の人間
つまり、「私」を
救うことは無い

私はそれを知っている
得たと思ったものを
根こそぎ奪われるということを
信じた誰かに
裏切られるということを
風さえ無い
沈黙の闇を
彷徨い歩くということを

でも
だからこそ
語れる言葉があるのなら

まだ、
生きている筈だ
不運な娘よ

こんな小さな手で
お前に何が
してやれる訳でもない

聞こえないことの悲劇と
聞こえてしまうことの残酷と
どちらがましなのか
そんなことを言えるような
資格がある訳でもない

それでも
それでも
それでも

不運な娘よ
その闇が
まだ完全なる沈黙ではないのだと
お前に伝えられるだろうか

それが救いなのか
それとも新たな呪いに過ぎないのか
それすら分からない
それでも
その無辺の闇から
囁く声が
聞こえるだろうか
最も静かなる闇に向かい合う時にだけ聞こえてくる
小さな小さな祈りの声が
お前の心に寄り添おうとする
無力なる者の囁きが

お前の運命をねじ曲げることが出来るなどと
信じている訳じゃないんだ
だが、それでも。
せめてその最期の瞬間に
せめて
解放の言葉が
囁かれるのなら

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