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2012年12月24日 (月)

創作ノート・加賀見の真名衆 参

加賀見一族みたいな伝奇物の設定は、何処にもそこにも、いくらでもあるだろう。でも私は、そういうものに違和感を感じ続けていた。SFだろうがファンタジーだろうが伝奇だろうが、それがひとつの世界観として調和を構築しているのなら、それは単純な上辺だけの小道具じゃない。物語構造と密接に関連してなかったら、意味が無いと私は思う。それを物理法則と表現するのなら、確かにそういうものになるのかもしれない。だから、加賀見一族が生きた占術としての機構を果たすには、どうしたらいいのかを、懸命に考えた。そのひとつの答えが、氷上媛という存在だ。

歴代の氷上媛を全部構築したりしてないけど。少なくとも、当代氷上媛の人物造形は、加賀見一族の設定の要だと思ってた。人として生まれ落ちる人に有らざる者。生まれながらにして真名という世界の真実を知るものが、一体どんな意識を持つのか。そうやって考え抜いてひねり出した、あの時代での自分の究極の解答として。当代の氷上媛、各務瞳子は、超天然、端的に言うとバカなんだよね。造りもののようにパーフェクトな容姿を持つ超絶美少女の中身は、精神年齢的にはほぼ童女。でも、聞かれたことにはどんなことにでも答える能力を持っているので、暗記系のテストを受けたら、満点以外は有り得ない。記憶力ですらない、世界に尋ねればいいのだから。そういうアンバランス。何処かの誰かに、似てるとも言えるかもね。

氷上媛と西王の物語は、私にとっては、人に有らざる生を与えられた存在が、人としての己を手に入れる物語になる筈だった。設定ばっかりで、けっきょく大した文章にはなってなかったけど。感情の起伏もろくにないような、言ってしまうと、植物のような精神性を想定してたから、キャラクターの方向性としては、ずいぶん違うと思うんだが。例えば、氷上媛にうっかり弟が生まれていたら、ちょうどあんな感じじゃないかね。

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