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2013年3月11日 (月)

創作ノート・活色 航路検討

世界で一番いい男になる可能性、慈悲の絢爛舞踏。サムライになる。父親が行方不明。師匠から強くなりたかったらいい女を捜せと。出来るだけ、殺さないで。

男から見たいい男と、女から見たいい男って、まるで違うんじゃないの、とか。男女が逆でもそうだよねとか、そういう問題は取り合えず置いといて。

正義、勇気、諦めない。お題目としては美しいかもしれないけど。それが中身の無い張りぼてで終わるのか、真の内燃機関になるのかというのは、全然違う話だ。他者を傷つけ排斥する正義は山程ある。状況が把握出来ないで盲目的に発揮される勇気もどきは、現実を思い知らされた途端にぺしゃんこになるだろう。それとも、最期の最期まで現実を認識出来ないで、負けない負けないって呟きながら終わるのか。ていうか、それ以前に、師匠に言われたからって意味も分からず、いい女を連呼してる時点で、やっぱり中身は無い気がする。その中身を、内側に蓄えるための冒険であるのなら。

お題目を掲げることそのものが間違ってると言うつもりは無いけど。その旗を掲げながら、現実の巨大さを、自分の無力さを、自分自身に刻みながら、それでも前へと進軍するするものがあるのなら。それは本当の正義に、勇気になることが出来るのかもしれない。いつか、ね。だからつまり、いい女になる「可能性」を持つ者を探し当てたとしても、結局しばらく、旅路は続くということだ。もしかしたら、二人でそうやって二人三脚で前へ前へと進む、それこそが、世界で一番の可能性の中身なのかも。という部分は、これからの物語である訳だが。

ここへ至るまでの、本人の資質として。いい女、以前に、彼にとって、強くなるということがどんなことなのか。タキガワの「強い」は分かりやすい、勝つことだ。それは結局、勝って生き残らなければ、命の、世代の繋がりを保つことが出来ない、彼の置かれたそういう属性によるところが大きいのかもしれないけど。マイトリは、そういうものからも今のところ切り離されてる。描かれていないだけなのかは定かではない。にも関わらず、強さというものに、圧倒的な拘りがある。この場合、強さって、どんな強さだろう。何度も何度も計算して、諦めない、それは分かるんだけれども。そうまでして、強さに拘るくせに、勝ち敗けにはあんまり興味がないんじゃないのか。

夜明けの船での彼は、熱中派だ。真面目と言えば真面目、規律に従うという意味でではなく。整備技能持たせたら、二班にも関わらず、しょっちゅうハンガーに入り浸ってる。イイコちゃんが目当てかと期待すれば、タキガワと友情深めて一緒にご飯食べてたりするところが、リアル過ぎてずっこける。勤務時間の終わり間際になると、みんな早めに仕事を切り上げちゃったりするのに、彼だけは元気に時間外まで働いてる。そして仕事が終わった途端、走って出て行くから何事かと思えば、食堂に直行してたり。

今回初めてRBに乗せて観察してみたけど。生きるか死ぬかのシビアな戦闘で、ずっとあれをやってたら、タキガワが憤死する気がする。殺さないでという信念を追求するのはいいけども。一手一手、まるで詰め将棋やってるみたいに、ぴったりのトポロジーを検討しながら詰めていく。飛行科のBALLS押し付けた途端、技能は直ぐにカンストの筈なんだけど、地道なトポロジー選択ばっかりしてる。しかもどんなに弾に囲まれてても、退避のような恐怖心の行動が見られない。にも関わらず、相手を確実に獲れる位置まで来ると、そのまま距離を空けたり。どうしても現在の火星で釣れないので、昔のデータ引っ張り出して、シバ・バラで激戦中だったりして、この集積が未来予測に繋がるのかは知らないが、艦が撤退中なのに平気でとろとろ追撃したりするのでは、到底生き残れないんじゃ。

つまりは、端的に、バカなんだな。慈悲という言葉からは、一般的に、背景とか事情とかを理解した上での、大人な憐れみというのを連想しがちだけど。自他不二ってつまり、自分と他人の区別が上手くつけられないということだ。だからといって、相手を理解しているという訳でもない、脊髄反射的に、相手を助ける。その行為そのものは、感動的なのかもしれないが。無差別に誰も彼も助けようとした挙句に、ナチュラルに二股をかけてるのは、ギャグ次元ではいいかもしれないが、リアルでそれをやってたら、下手すればそれこそ犯罪行為だ。盲目的に何かをすることの反作用を学ぶには、面白いストーリーラインかもしれないけれども。でも、そういう性質を、キャラクターとして統合するのならば。

衝動的な、慈悲の本能とでもいうような。助けたい、でも、敵を害するような方法じゃなくて、もっと圧倒的に捻じ伏せるためには、確かに強さが必要だろう。その為に周囲に余波の軋轢が起こるのなら、それも阻止できるような、ありとあらゆるベクトルに手を伸ばす、強さ。ライラちゃんと似てるか。彼女の強さは、もっと賢い強さだけども。マイトリは、なんというか…中身が無くって、スカッと空なんだな。そこへ人格を乗せる、どんどんバカになりそう。いっそスーパーマンみたいに、素っ頓狂ならまだしも。んー、近い所があるのは事実か。でも彼らみたいに、強固な勢いがない、もっとずっと大らかなんだな。確かに、赤なんだろう、生存本能としての競争心が薄い。その代わりに、探究心がある、求道者と言ってもいい。サムライ、ねえ。武者でも武士でも無い、サムライ。勝つためではなく、救い守るためだけに振るわれる剣の強さ。…でもそれ、女に惚れるか? あー、だから、世界で一番いい女になる、可能性、かな。ええっと、うーん、それは……が、頑張れ、イイコちゃん。

仏教用語としての慈悲と。聖母マリアの慈愛。

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