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2013年9月17日 (火)

沈黙の名前

悲劇を
阻止したい
ラグトーリンがそうしたように
原則的には
どんな惨劇であれ
それが人々の選択の結果であるのなら
余所者が干渉すべきでは
ないかとも思うんだが
その悲劇によって
世界が散じてしまうと言われたら
致し方ない

とはいえ、それは
その世界の時間軸の外側に存在して
悲劇が起こることを
既知としている
余所者の視座で語られることだ
悲劇に巻き込まれた本人が
その事件そのものを修正することは
矛盾を免れない
では
悲劇を回避した人格と
回避できなかった人格
その双方を個として認めるのなら
悲劇を食い止める方法と
起こってしまった悲劇の後の世界を
乗り越える方法の
両方が必要になる

悲劇のリフレインの連鎖が
無限ループに陥った時
いつか世界を
破壊する
誰もが知っている筈なのに
誰もが目を逸らそうとする
ただの事実

確認されているエラー修正の方法は
恐らく
ただひとつ
リフレインは
本質的に同じ形をしている
過去を学べば
その相似形を防ぐことによって
未来の悲劇を阻止出来る筈だ
でも
過去を外部から観測しただけでは
当事者として立ち向かうのとは
ベクトルが異なっている
その視点の転換を
疑似体験するための装置として
「物語」は存在すると思う
閉鎖世界で妄想を見るための道具ではない
その世界の大地に
自らの足で立ち
内側から世界を見て
そこから
何かを
糧として持ち帰ることが出来る装置でなければ

私が
ラストに拘るのは
そこに
次への扉が口を開けているべきだと思うからだ
それは次の物語かもしれないし
次の世界かもしれない
或いは
次のゲーム
何度も何度も繰り返すループの全部を観測、記憶し
そこから新しい道を探し出す為の
シミュレーションが可能な時間軸
その世界に意識を置くもの達の
ゲームの名前は

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