女神の末裔
アフリカの大地の
黒い肌のエステルをみた
ザンビアのスラム出身という彼女は
16才で出産
路上でトマトを売っていた生活から
エイズ対策青少年プロジェクトの
スポーツ振興でボクシングと出会い
世界チャンピオンになったという
ジョギングの最中にも人々に手を振り
ジムに遊びに来る子供たちと握手し
仲間達と手を繋いでゴスペルを歌う彼女を
目標としている新人のボクサーは
同じようにスラムで暮らす
ブリジットという名の少女
奴隷貿易によって
長くアフリカを苦しめたのが白人なら
その白人の持ちこんだ文明や文化が
人々に深く浸透し日常を支えている
世に全きの善など無いように
全きの悪も無い
糾える禍福の文様の
ウロボロスの蛇のようなその変転
星の女神
火の女神
世界に数多御座す
古き女神たちよ
苦しい日々
それでもなお
彼女たちのまなざしを
守り続けるものは何だろう
どうか
女神たちの御加護が
彼女たちの上にありますように
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