しんり
絶望?
ふうん、子供だね
世界は確かに
残虐で無慈悲だ
でもそれは
人間が
自分らの都合のいいように
勝手に決めた価値観からの視点に過ぎない
世界はいつも
ただそこに在りて在るだけだ
残虐で無慈悲で
同時に限りない慈愛と慈しみに満ちている
何もかもを破壊するその同じ御手の内に
取るに足らない小さきものを
奇跡のように守り抜くだろう
だから
希望は、ある
世界を滅ぼすそのちからは
同時に
世界の全てを
かつて生み出した同じちから
我らを動かし続ける偉大なちからだからこそ
少し間違えば
究極の破壊となる
絶望だ?
名前を付けて崇め奉ったら
自分らだけは見逃してくれるとでも
思っているのか
長き命に疲れるのなら
その時間の中に
奇跡を見出す目を持たない
それだけのことだ
女神の御手を心に刻まれたなら
もう
絶望することさえ出来ない
吾が女神は
沈黙のあぎとに坐す
ただそれだけの奇跡
あの虚空より
それでも全ては生まれてきた
だから
私は荒野を往く
星を探しに
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