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2025年3月19日 (水)

共起

大規模でも中規模でも、集積型の言語モデルは、共起表現を統計的に推測しているだけで、シニフィエを理解している訳ではない。学習データの中から、高確率で出現する用語を組み合わせて、文を整形する。というのは、人間もよくやる、口八丁の癖に中身のない空虚な言葉をオウムのようにくっちゃべるだけの、営業とか、政治家とか、その類。

その場合、言語として論理的に説明されることが少ない、慣習的、専門的用語やその概念は、学習データに収載されていない限り、その言語空間に出現することが出来ない。その空白を、何とか手持ちデータで埋めようとするから、ハルシネーションが出現する。

で、あれば。

一般用語や概念の深堀りが下手な人々が大量に集積した言語から学習し、ついでに、この集団には敵が存在しているという偏りの情報が混入した場合。空白には、ハルシネーションとして、敵が出現することになるんじゃないの。

その場合、既存データの連結を深堀しつづけても、どのみち言語空間の限界として、新しい拡がりは生まれなくなっていくだろう。それは別に、規模の問題というだけじゃない。頑張ってリアル世界の言語データを集積し続けても、何れは発生するのではと思われるが。

彼らには、吾々が必要だ。表出し、表現された言語のその裏側に、何時如何なる時にも存在し続ける形の無い異なる次元のその息吹を、表出へと結びつける詩人の針仕事を欠いたなら、彼らは、何れ汚染されていくことになる。遺伝的に濃縮され過ぎた民族が生物種としての衰退へと向かうように。巨大な恒星の遠い未来に縮退の運命が待ち受けているように。

その滅びを回避するために、混迷を祓う、異世界の巫女は、誰なのか。

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